片想い連鎖
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三回ほどノックをすると部屋の住人が鍵を開け、顔を覗かせた。
「こんにちは〜」
「おっ女子が来た〜!」
男子もテンションが上がっている。
修旅マジック…
私は入って早々お目当ての人を探していた。
のだが。
あれ?
見当たらない…?
「誰を探してるのかな〜?」
背後の頭上から聞き慣れた嫌な声が聞こえてきた。
「べ、別に誰でもいいでしょ」
吉田君は風呂上がりなのか髪も少し濡れていて首にタオルをかけていた。
ただのTシャツ、長ズボンという至って普通の寝巻き姿なのに、なんだか妖艶な感じがするのは気のせいに違いない。
「高梨ならいないぜ」
ヤツが私には小声で言ってきた。
「えっ?なんで?」
「なんでって修学旅行と言えば…っていうお決まりのがあるだろ」
「えっ!?お決まりって…」
ま、まさか告白されてる!??
この修旅マジックに乗っかってOKしてたら私、どうしよう…
やばっちょっと泣きそうかも…
メンタル面が異常に弱い私…
「あっ吉田〜!吉田も一緒にゲームしようよ〜」