片想い連鎖
***
とりあえず自分の部屋に辿り着いた私。
任務の半分は遂行できた気がしていた。
えぇっと、UNOはどこにやっていたんだっけ。
自分のトランクを開き荷物を漁りはじめた。
するとトランクの内ポケットに入れていたことを思い出し、チャックを開く。
あっ、あったあっ「あったか?」
「うん。ここにあっ…」
……?
ばっと振り向くとそこには
なんと吉田くん。
なんか前もこんなことあった気が……
「えっ?ちょっとなんでいるの?
しかも鍵!オートロックなんだけど!」
「ちゃんとドアが閉まってなかったみたいだぜ。
お前、不用心すぎんだよ。ちゃんとしとけよ」
ここに犯罪者がいることを今すぐにでも誰かに伝えたい。
「どうして来たの?」
「来ちゃ悪いかよ」
「悪いってか、ここから男子部屋に行くとなるとなんか無意味に目立ちそうでやだ」
「なんだよ。それ。意味わかんないんだけど」
いや、意味分かるでしょ。
無駄に背が高いヤツと一緒にいたら目立つじゃん。
それに、なんとなく二人で一緒に戻るとなるとほのちゃんを始め、みんなに変な誤解を生みそうだったから嫌だった。
「つべこべ言わずに早く行くぞ」
そういいながら手を掴んでくる吉田くん。
「ちょっと!また手!ちょっと離してよ」
「お前が来ないからだろ。さっきみたいにまた泣かされたいのかよ」
「ーーーー!!!?」
バレてた…!?
「お前、すぐグズグズするよな。そんなだから愛しの高梨くんも他の女のとこ行くんじゃないの?」
「うるさいよ!吉田くんになんでそこまで言われなくちゃいけないの?」
なぜか口論になる二人…
すると部屋の外の廊下から何やら罵声が聞こえてきた。
「まだ起きてるのか?早く寝なさい」