片想い連鎖



***



「じゃあまずはジェットコースター行って〜フリーフォール行って〜それからコーヒーカップ行って〜」


そして、到着早々乗り物の順番を決めるほのちゃん。



私たちはそのままホテルから電車に乗り、ネズミーランドに直行した。

電車は朝早かったため通勤ラッシュと重なっていたのか思っていたよりも混んでいた。

なので幸いにも4人で固まることは難しく、自然と男女に分かれて立って話をしていたので、吉田くんと話す機会もなかった。





「俺、ぜってーコーヒーカップとか乗らないから」



相変わらずの吉田くん。



「えー乗ろうよ!絶対楽しいって!」


「あっあの!」


三人の視線が私に向いた。


「私今日ちょっと気分悪くって…だからジェットコースターとかちょっとパスしてもいい?ここで待ってるからみんなで楽しんできてよ!」


「えっみゆ、大丈夫?」



わたしはほのちゃんに耳打ちした。



「吉田くんと一緒に乗ってきなよ。」



ほのちゃんはポッと顔が赤くなった。


高梨くんもいるけどね。


それにわたしはやっぱり吉田くんとは一緒にいれない。


今日も一言も口を聞いてない。



「私に気にせず行ってきて!」


「じゃあ行ってくるね!」



私の言葉を聞く前に吉田くんはもう歩きだしていたようで。


それを追いかけるほのちゃん。


はぁ〜なんかどっと疲れちゃったな…


そう思っていると…


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