片想い連鎖
「わっ


私は…高梨くんのことが好きなの」


「…うん。知ってる」


「ここからいっつも見てて…」


「…うん。知ってる。


でも…ずっとその目が俺に向けばいいのにって思ってた」


何かいつもと違う……


いつも私をいじめてた吉田くんとは違う…


なんか調子狂っちゃうよ…


私はドアの鍵を開けた。


目の前に吉田くんが立っていた。


「逃げてばかりでごめんなさい。


あと…私、高梨くんのこと好きなの」


「だから知ってるってば。何回言うんだよ。


でも…



諦めねぇから」


「…!?」


「だって好きっていうのは


好きな人に好きな人がいて何度諦めようと思っても諦められない


んだろ?」


「そっそれ!!」


私が何時ぞやか言った言葉!!


「だから…覚悟しとけよ。


ブース」


そう言いながら私にデコピンしてきた吉田くん。


「いたっ」


私はおでこを抑えた。


「バーカ」


そう言いながら廊下を歩いて去って行く吉田くん。
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