片想い連鎖
心地よいテノール音に私は我に返り、顔を上げた。




「…吉田くん」



「俺の席で何やってんの?」



あっ、私って機から見たらチョコレートの山に埋れながら寝てて、変態かも…



「あっごめんなさい。すぐ退けるね!
ははは…」




吉田くんが近づいてきた。



沈黙が流れる。




「高梨に」



「えっ?」



「高梨にちゃんと渡せた?」



私は深く息を吸った。



「高梨くんにはちゃんと…伝えたよ」
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