監獄の中で僕らは生きてゆく
プロローグ
此処は監獄だ。監獄なんだ。



何時からここにいて此処がどんな場所にあるのかさえ僕は知らないんだ。



気がついたら此処にいて、気がついたら皆がいたのだ。






でも、僕だけは隔てられている。硝子一枚の差がとても虚しく、悲しく感じた。嗚呼、どうして僕は『此処』に居るのだろう。


僕とよく似ている明るい彼はとても楽しそうに仲間と、恋人と話していた。




あのね、僕も君の恋人が好きなんだ。知ってた?


······知らないよね。だって君は一度も僕を見つめたことはなかったもんね。















━━━嗚呼、いつか君の周りに不幸が起こるように、と僕は一人寂しくガラス越しに祈ってるよ。またね。今度会うときはこの硝子を壊して君の世界を壊してあげるよ。


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