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「お世話になりました。これ、皆さんでどうぞ。」

真理子にお菓子を差し出す。

そりゃ、次長、主任がいない今、受け取るのは自分の仕事だろう。

「はい。」

「次長と主任にも、宜しくお伝え下さい。」

「あー。はいはい。」



「はい。これ。」

近くにいた堺に渡す。
堺は、真理子の後輩。
年は8つ離れているが、入れ替わりの激しい部署では、真理子のすぐ下の後輩となる。

「聞いた?これ、金澤に一緒に買いましょうとか言ったらしいよ。」

金澤は、心機一転、フローリストになる!と言って、会社を辞めた。
夢を追い、学校に通う彼女を、悪くいうものは居らず、円満退社だった。
無論、普段の仕事ぶりの評価もあっての事だが…。

「えっ!?退職の挨拶のお菓子なのに?」

堺も、驚いて返した。

「まぁ、金澤は、速攻、断ったらしいけどね~。」

ありえないです~。

と、堺と、そのふたつ下の会田が声を上げた。





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