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真理子はパソコンの画面をにらんでいた。

真理子は、システムエンジニアだ。

「槇村ぁ!」

槇村は主任だが、真理子のより、一年後輩だ。

しかし、浪人していた事もあり、真理子のふたつ上だった。

それで、タメ語、呼び捨てが定着していた。
一年遅く入社したものの、仕事の出来る槇村が主任になる事は、当たり前の様に思って、素直に受け入れた。

「槇村っ!」

やっと、槇村が振り返る。

「ここさぁ。」

指差すと、槇村が真理子の近くへやってくる。

「あぁ?」

「ココにこれ入れていっかなぁ?」

「うん。いーね。任せる。」

「はいはい。」

真理子は、今、病院のシステムを作っていた。

黙々と作業を続ける。



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