嫌い、大嫌い、、大好き。



「うち字が汚ないのは自覚してるんで。

しょーがないんですー」



「…まぁめんどいからそれでいーや。

俺、ここに名前かけばいい?」



結城はそう言って、うちが書いた委員会名の下に自分の名前を書こうとしてる。



…ぶっつけ本番で。


うちはいつもこーゆーのは下書きしてから
書くタイプだから、下書きしないでかける人ってある意味尊敬してる。



こいつ、その類なんだ。



すごい、、、



けどさ、



「…そのペンで書くの?」



「おう。なんか問題ある?
だってペンならなんでもいーんだろ?」



「そうだけど………」



結城が持ってるのは、白いマッキーペン。



そして、画用紙はちょっと濃いめの
緑色。



つまり、白で書くと、めっちゃ目立つって
こと。



他の委員会とかは見る限り普通に黒で
書いてるから、うちも黒で書きたいん
だけど…




「ちぃ先生〜
白のペンでもおっけーですよね?」



結城がちぃ先生に聞いてる。



「あー別に大丈夫だよ〜」



「ですよねー。

ほら、おっけーだってよ。」



「……もうそれで書いていいよ。」



これ以上なんかゆっても聞かない
だろーし。



結城は黙々と自分の名前を書いていく。



………



………。





こいつ、字、綺麗だ。




うちよりもはるかに。




でも、単純バカなうちは敗北感なんて
感じなくて、




「えっ!?
結城って字、綺麗なんだねー!
すごーい!!!いーなぁ〜」



気づいたら結城のことを褒めていた。




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