嫌い、大嫌い、、大好き。


あ…


結城のこと、褒めちゃった。



でも、字が綺麗なのは事実だし、、、




そこまで悪い人じゃないっぽいし、
まぁ、いっか。



「…だろ?
お前よりは綺麗な自信あるわぁ〜」



「一言余計ですー!

でも、ほんと字が綺麗なのいーなぁ〜

羨ましい!!」




羨ましい。


これは本音だった。



「……お前の名前、書いてやろーか?」



「えっ…いーの!?

じゃあお願いします☆」



うちは勢いでお願いしてた。


これも気づいたら。




「しゃーねーなぁ〜」



結城もちょっと嬉しそう。



…褒められたのがそんなに
嬉しかったのかな?



でも、うちも別に悪い気はしないし。



結城も機嫌いいし。



委員会もなんとかなる、かも。



「そーいや、川島の名前って、ゆな、
だよな?」



「うん、そーだよ?」




「…漢字ってどーやって書くの?

ごめん、わかんねー」



ちょっと申し訳なさそうに言う結城。



…こんな申し訳なさそうな顔も
するんだね。



意外かも。




「じゃあこの紙に書くね〜」



「さんきゅ」



近くにあった紙にうちは“由奈”と書く。



「あ、なんだ簡単じゃん!」



そう言って、さらさらとペンを走らせて
画用紙にうちの名前を書いていく。



うまく言えないけど、
なぜかちょっと嬉しいかも。



うちの名前が綺麗な字で書かれてる
からかな?



たぶん、だけどね。




「ありがとー!!!」



「ふっ笑いえいえ笑」



「え…?なんで今笑ったの?」



「お前の名前だけちょっとだけでかく
書いといた。」



たしかに画用紙をみると、うちの名前は
結城の名前よりも大きく書かれている。



「うわーなんかせこ笑」



「書いてやったんだから感謝しろ」



上から目線だし。



でも…


「まぁ、書いてくれたことには
変わりないしね〜

ありがと!!!」




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