異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
レヤーのアドバイスでもうちょっと、と枝を集める。
日が暮れてきたとはいっても、まだ暑さが残る中での作業は大変。汗が流れるし、喉も渇く。
「ふう、このくらいかな……って、え?」
だいぶ空が藍色に染まったころ、辺りが薄暗い中での出来事だからよく目立つ。あたしが首から下げてるペンダントが淡く輝いてる……って言うのが。
「ヒスイ? 何が言いたいの」
チカ、チカ、と二度点滅。近くにレヤーがいるから姿を現さない?
《そうでもないぞ?》
「わっ!?」
突然後ろからレヤー以外の声が聞こえれば、飛び上がるほど驚いても仕方ないって。実際に肩が跳ねましたから。
「ちょ、ちょっと! 出るなら予告してからにしてよ」
《わらわをユーレイのように言うな。失礼なやつじゃ》
「似たようなものでしょ! あたしにとりついてるじゃん」
後ろにいたヒスイとぎゃんぎゃん言い合ってると、レヤーが「あのう」と恐る恐るといった様子で口を挟んできた。
「和さんの胸元と同じ光が、あちらに見えますよ……?」
「えっ……ペンダントと同じ光?」
レヤーが翼で示した先を見れば、確かに緑色の光が少し先に見える。それはホタルのように瞬いていて、もしかするととあたしは口を開く。
「ヒカリハナムシじゃないの? こういう乾燥した土地に住んでるんだよね」