異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。






東京に行くまでには新幹線と同じくらいの時間がかかった。それまでの間、お互いのことを話す。


ダチョウみたいな緑色の巨大な鳥は、レヤーという名前らしい。もともとは別の世界に住んでいて、神さまと融合した時もあるから案外長生きしていると聞いた。何百年かと聞いたら、いえ、3万年ほどですとサラリと答えられたけど……日本じゃまだ文明起きてない時代だよ。


あたしの頭がおかしくなってないのであれば、この鳥の言うこと信じるしかない。

だって、ダチョウより遥かに大きな鳥が飛ぶだけじゃなく、会話ができて翼でいろいろできて。人間並みに食べて感情豊かだなんて……。おまけに魔法? みたいなものを使えるって。今まで散々現実を突き付けられたら、認めるしかないでしょう。

そんでもって、あたしの方もレヤーに愚痴った。もう、今までの不平不満やストレスの源全てをありのままに、何も隠さずにストレートにぶつけまくった。

で、その結果……。


「そりゃまた大変ですね。このパターンだと、和さんが戻ったところで反省なんてしてやしませんよ。むしろあなたが悪いと余計に待遇が悪くなるだけだと思います」

「……だよねえ。やっぱあの人たちに自分が悪いって意識は微塵もあるわきゃないか。期待したあたしがバカだったわ」


東京駅のそばの裏路地で、頬杖をついてため息をつき、あ~あと唸る。2日のプチ家出の後、戻る時を思うと気が重い。


「う~ん……やっぱり根本的な解決法はひとつしかないですよ」


お~い!○茶のHot用ペットボトルをアチチ、と言いながら飲むレヤー。鳥なのに猫舌?

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