異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
家出をしてきたとはいえ、短期の予定だから、せいぜい頭痛薬と絆創膏くらいしか持ってきてない。
「そんなに痛いなら痛み止めあげようか? あ、でも鳥に人間の薬って効くものかな」
「あ、ありがとうございます……すみませんが、お手当てをお願いできますか?」
そう言いながら涙目のレヤーは、無事な方の翼で痛めた翼の脇からひとつの箱を取り出した。……ってあんた、それどこに隠してたの?
取り出した木箱はちょうど救急箱と同じ大きさ……じゃなくて、モロに救急箱だった。緑色の十字がやけに目立ってますよ。
「ど、どうしてそんなもん持ってるかはつっこまないでおく。とりあえず、湿布して包帯でいい?」
「はい。すみませんがお願いします……」
ちゃんと申し訳なく思っているらしく、レヤーは長い足を折り畳んで正座をして治療を待ってる。鳥が正座をするなんて初めて見た。
いや……今後も見ないとは思うけど。
とりあえずレヤーは大きいからあたしの身長だと高さが足りなくて、岩の上に乗って手当てをした。
「はい、終わり! これに懲りて今後は注意してよ」
「ありがとうございます。そうですよね。ここがどこかわからない以上、用心しなきゃいけませんよねえ」
そう言いながら、レヤーは羽毛からサーク○Kのビニール袋を取り出した。
「ちょっと遅くなりましたが、朝ごはんにしましょう。サンドイッチとおにぎりとパンどれがいいですか?」
「サンドイッチ……って! あんた、どれだけ物を羽根に隠してんのよ」
「それは秘密で~す。 あいだだだっ! クチバシを引っ張らないでください!」
巨大な鳥が可愛く言ってもかわいくありませんから。