異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
第14関門~たいせつなメッセージ。
信じられない……。
この8年探し続けてきた秋人おじさんが目の前にいるなんて。
すぐ跳ねる柔らかい猫っ毛も、ミントの香りも、すぐにあたしの頭を撫でる癖も、秋人おじさんそのものだ。
あたしは夢だと思いたくなくて、消えて欲しくなくて。両手でしっかりとおじさんを抱きしめた。
この背の高さも、華奢に見えてしっかりとついた筋肉も、ぬくもりも、秋人おじさんだ。
夢、じゃない。夢じゃないんだ。
「おじさん……秋人おじさん! やっと会えた。やっと……」
「うん、心配かけてごめん。和が苦しんでるのを見てきて、一度はちゃんと会わなきゃと思ったんだ」
秋人おじさんはあたしの髪を指ですきながら、意味がわからないことを言う。
「おじさん、おじさんは8年前にここに……ディアン帝国に来たんだよね? 120年前なんて嘘でしょ。ね、帰ろうよ! あたしと日本に帰ろう。
あたしの友達もここにいるみたいだから、友達を助けたらみんな一緒に帰ろう!」