異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
あたしは秋人おじさんを見上げて、懸命に言い募る。あたしがしたいこと、ずっと望んできたこと。8年前――秋人おじさんが姿を消してから、何一つ変わらない。
「ね、おじさんも大学に戻って……研究の続きをすればいいよ! あたしと一緒に暮らそ。あたしが……働くから。おじさん、好きなことをしていいから」
秋人おじさんが戻ってくれるなら、学校を辞めて働いたっていい。大好きだった秋人おじさんがそばにいてくれるなら、何を引き替えにしたって構わない。
おじさんはあたしにとって頼もしいお父さんがわりで、時にはたくましいお兄ちゃんで……たまに弟みたいな子どもっぽいところがあった。
一番間近な男性が、秋人おじさんだったから。あたしにとっての異性の基準は、いつの間にか彼になってたのは自然なこと。
だから、かな。あたしはどんなイケメンにもときめかなかったし、恋愛なんてできなかった。
もしかすると秋人おじさんは、あたしにとって憧れ以上の人だったのかもしれない。
だから、消えた時の喪失感がすごくて。しばらく学校に行けないくらいショックを受けてたんだ。