異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



「レヤー、お茶の用意をしてもらっていい? 5人分ね」

「はいは~い! わかりました」

「え、鳥が喋った?」


すぐ近くで庭の手入れをしていたレヤーが、あたしのお願いに片翼を挙げて軽く答えた。


やっぱりユズさんも驚いたようで、目を見張ってレヤーを眺めてる。


「皆さん驚かれますけど、私のお仲間はわりといますよ」


そう説明しながらいそいそとお茶の用意を始めたレヤーは、カセット式のガスコンロを取り出してヤカンを火にかける。ディアン帝国では天然ガスも豊富だから、いっぱいガス缶もらってたんだよね。


「ところで、お茶請けは何になさいますか? セブン○レブンの新作スイーツでは、動物の顔をしたケーキがありますし。ローソ○ではプリンがオススメですよ。あ、サークル○ではイチゴ大福がおいしかったです」

「……なんかいろいろとツッコミたいんだけど。なんで新作スイーツなんて持ってるのよ!?」

「それはヒミツで~す……あいだだだだっ! 痛い。羽毛が抜けます。やめてー」


かわいく言おうとしたらしいけど、笑顔で彼のアホ毛を全力で引っ張ってあげました。


「あんた、あの旅で食料なくなったんじゃないの!?」

「ち、ちょっと新作スイーツが欲しくて……いだだ、痛い!」


ブチッと音がして何枚かレヤーの羽毛が抜けたけど、また生えるからいいよね。


レヤーはシクシク泣きながら、日本へは度々行けるけど。あたし達を一緒に連れてはいけないと白状しました、はい。


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