異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
《ほう、何とか見られるようになったではないか》
ずっと見てたヒスイがニヤリと笑う。絶対、何かを企んでいるあの含み笑いは良くない前兆だ。
「ちょっと、ヒスイ。妙なことをしでかしたりしないでよ」
《失敬な。わらわが良からぬ企みでも持っておると?》
「あんたのその笑いが怪しいの」
「ナゴム、支度できたか?」
バン、とドアを開いたのは真っ赤なドレスを着たロゼッタさん。彼女のドレスも新調されたものだけど、あまりデザインは変わらずナイスバディが惜しみなく晒されてます。
特に、こぼれそうなバストが……うらやましい。ほんのちょっとでいいから分けてください。
あたしの侍女として付き添うので、ミス・フレイルも支度のために席を外してる。だから、今ここにいるのはあたしと、ヒスイと、ロゼッタさんに数人の侍女のみ。淹れてもらったお茶を手にしながら、目の前にいる美女2人を眺めた。
どちらも美女と言っても差し支えない上に、女性らしい体つきでドレスがばっちり似合ってる。対するあたしは……自分の胸に目を落とせば、ため息しか出ない。
ミス・フレイルが下着選びの時、特製ワイヤーの入った補正下着を着せてきたけど。それでも悲しいくらいささやかな胸。
女性の魅力でスタイルは一部だってわかってるけど。これだけ美女に囲まれてたら、自信を持てってのが無理。絶対、ドレスに着られてる。ドレスがかわいそうだって。