異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



「えっと……それなら、あたしはパーティーに出なくていいってことかな?」

《それは無理じゃろう? そなたにも正式な招待状が来てるならば、正当な理由なくば断れぬじゃろ》

「……ヒスイにしてはマトモなことを言うね」

《相変わらず失敬なやつじゃ。ま、相手がおらぬならばわらわの侍女として連れていってやらんでもないぞ?》


ロゼッタさんよりは小さいけど、それでも十分なボリュームがある胸を反らしてヒスイが言う。ずいぶんタカビーな上から目線ですわね。


「その方がいいかな。ぶっちゃけ、バルドがダメなら相手がいないし。でも、ヒスイはエスコート役のパートナーがいるの?」

《無論じゃ。事前に募集をかけたら、希望者が殺到したぞ。わらわが選り抜いた相手じゃ。不足はあるまい》

「……」


パーティーのエスコート役って、事前募集できるものなの? 初めて聞いたよ。


って言うか。そりゃヒスイの容姿や巫女としてのステータスで応募が殺到するわ。これが逆にあたしなら…………いや、想像するだけで悲しくなるからやめよう。


「いいや、ぼっちはぼっちで美味しい料理目当てで参加するから。あなたの侍女として……」


話してる最中にミス・フレイルが戻ってきた。彼女はやっぱり紺色の控えめなデザインのドレスを着てる。案外ナイスバディで美人でした……。


ミス・フレイルがあたしへ客間へ移るよう促す。何かと首を傾げれば、意外な人がそちらで待っていた。


< 310 / 877 >

この作品をシェア

pagetop