異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



「まさか、カイルがあなたに本気で近づくとは思いませんでした」

「……どういう、意味ですか?」


何だか不穏な口ぶりだった。セリス王子はカイル王子が本気でないと言いたいの?


「カイルは無類の女好きです。彼の言葉は羽毛より軽いし、意味がない。本気にしたら泣きを見るのはあなたです」


セリス王子の言葉に、カアッと顔に熱が集まった。


つまり……セリス王子はカイル王子があたしに真剣になるはずないから、本気にするなとでも言いたいの?


あたしなんかにマジで告白なんかしないって。


カッ、と頭に血が昇ってセリス王子を睨み付けた。


「よ、余計なお世話です! あたしがカイル王子とどうこうなろうが、あなたに関係ありません!」


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