異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



けど、だからって……。


鼻が赤くなったあたしの顔を、「サルだ」とからかうなんて!

よりによって、サル!


別にサルを差別するわけじゃないけど、腹がたつ。年頃の女の子に言うべきことじゃないでしょ!?


だから、ムカついたあたしは耳を引っ張ってあげた。とても素晴らしい笑顔のままで。


これでも指の力には自信がありますから。その自慢の洗礼を受けたハルトは、涙目で謝ってきた。ざまーみろ!


にしたって。ハルトは恐ろしいくらいに秋人おじさんに似てる。けど、おじさんがいなくなったのは8年前で、ハルトは年が19。下世話な計算をすると、ハルトが生まれるには少なくとも20年前にはそ……そういった行為が必要だから、計算が合わない。


ハルトが秋人おじさんの息子ならこれだけ似てるのはわかる。けど、年も違うし赤みがかった茶髪と赤い瞳の色はどう見ても別人だ。他人のそら似にしては顎の線とかそのまんまだし、声なんかそっくりで勘違いしそうなくらい似てる。


いったい……どういうことなんだろう? あたしにはさっぱりと理解ができなかった。


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