異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「え、そんな物騒なものだったの?」
「ええ。古代兵器の可能性も考えましたけど、古代兵器は“生き物でない”みたいですから。けど、もしかすると匹敵する力があるのやもしれません」
「…………」
問題となってた古代の最終兵器と同じ力がある?
この、いつ孵るかと楽しみにしてた、一見何の変哲もない卵が!?
渡してくれたのはハルトだけど……彼も正体は知らないと言ってた。冗談めかしてモンスターとか言っておいたけど。これってリアルにモンスターだよね? しかも、強力過ぎてラスボス的な。
下手すると世界を焼き滅ぼすっていう古代兵器と同じくらいの力があるって。とてもじゃないけど人の手に負えないんじゃ?
「ウソ……こんなちっぽけな卵が? それに、あたしの生命を使って力を振るうって何の冗談」
「説明は難しいですが、おそらく何らかの手段であなたの命を削りその膨大なエネルギーを利用しているのでしょう。
あのままあなたに委ねていてはあなたの命も、そして力の制御についても危険が高かったのです。そして、あなたの身体は力を行使したゆえに、何らかの影響があるのではないですか?」
レヤーの指摘に、ギクッと体が強張る。彼はやはり、と真面目な顔で包みを眺める。
「あれだけの膨大な力を強制的に使われたのです。体に相当な負担がかかっているはずですよ」
「……」