異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
第27関門~契約、のち。
ただの夢だと思え、とバルドは言った。
だけど……だけど。
「む……むり!」
あたしは息も絶え絶えに、何とかそれだけ声を出した。
「何がだ?」
「なにが……って、い……言えなっ……ふぁ!」
剥き出しの肌をバルドの指がイタズラに動いて身体を暴いてるのに、言えるわけがないよ。
こんなの……知らない。
身体がどんどん熱くなって、胸がざわざわする。頭から溶けそうな……なんにも考えられない。
頭と身体がバラバラになって、自分じゃどうにもならない。
自分が、自分でなくなっていくみたいで。
「やだ……こわい」
うっすらと膜を張る視界の向こうで、バルドは震えるあたしの頭を抱き寄せささやく。
「何も、怖いことなどない。オレを信じて、すべてを委ねろ」