異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「3日……」
呟いてみたけど、ハッキリ自覚はない。
というか……断片的なことしか憶えてなかった。
だって……
ただ、ただ熱い奔流に押し流されていただけ。バルドに与えられるすべてが、甘く激しくて。真っ白な世界で、強い花の薫りに包まれていたような。
時間の概念なんてとっくになくて、常にバルドにあ、愛されてて……。
(う……うわぁ)
ほんのちょっと思い出しただけで、死にそうなくらい恥ずかしくなった。あ……あんな……口にするにもはばかられることを、彼としたなんて。
あたしを背後から抱きしめるバルドは、気のせいかがっちりとお腹に手を回してる。
えっと……なんだか身体を支えるというよりも、立派なホールド状態のような。
「あ……あの、バルド……もう大丈夫だから……その」
あたしがそう告げているのに、バルドはあたしに密着したまま何も言わない。
く……首。彼の息がかかってこそばゆい。
こちらがたまらなくて身動ぎすると、彼の手がスッとあたしの下腹部に当てられた。
「半月だ」
「え?」
「半月後、おまえは決して離れられぬのだと理解するだろう」