異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
予言のようでいて、何だか宣言にも聞こえる。
「半月後……って、バルド。どういうこと?」
「いずれ、時が来れば判る」
彼は埋めていた顔を上げると、両腕を離してホールドを解いた。
《やれやれ、やっと済ませたか》
「うわ!」
突然目の前に現れた緑色に光る姿のヒスイは、ため息を着きながらベッドの上でなぜか正座をしてた。
驚きのあまりひっくり返りそうになったけど、バルドが後ろにいたから倒れずに済んだけど。
「ちょ、いつも言ってるでしょ! 突然出てくるなって」
《なにを言う。わらわはとうに目覚めておったに、原因はそなたらではないか。わらわは気を遣っておいてやったのじゃぞ?》
「へ……?」
あたしはヒスイの発言に、衝撃が大きすぎてポカンとする。
ヒスイがとうに……
とうに目覚めてた……ですってええぇっ!?
《バルドもじゃが、睦ごとの最中のなごむもなかなか情熱的じゃったのぅ。何せバルドのから》
「わぁあああっ!」
あたしはヒスイに向けて両手をバタバタ動かした。
いきなり何を言い出すんだ、コイツは!
《相変わらず騒がしいやつじゃ。そんなので后が務まるのか?》
「こいつなら平気だ」
意外にもバルドがあたしを庇ってくれて、嬉しいというか不思議な気分だ。
「コイツなら従来の固定観念を破るのに相応しい。国民にとってどこぞの取り澄ました貴族や王族より、間近に感じるだろう」