異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「ちょ……バルド、なんで? 契約は終わったでしょ!」
「契約など、関係ない。巫女だとか、皇子だとか。そんな立場など、むしろ邪魔だ」
「えっ……」
バルドの言葉が意外すぎて、思わず動きが止まる。
だって……バルドはいつも皇子として国のことを考えてきた。公務も政務も、全力で取り組んで……決していい加減に対応しない。誰よりも責任感が強くて誇りさえ感じさせた。
なのに……なぜ。バルドはそんなことを言うの?
あたしが、絡んでるだけなのに。
「バルド……?」
「おまえを縛るのに、オレには皇子という身分しかない。だが……オレが欲しいのは、水瀬の巫女じゃない。おまえ自身だ……和。おまえと出会ったきっかけが身分だとしても、今は関係ない。和だから……惹かれた」
思いがけないバルドの告白に、頭が真っ白になって視界が変わるのに気づかない。ハッとなった時には、彼にベッドに沈められていた。
「セイレム王国はおそらく巫女の力を引き出す方法を知らない。生き返らせるセリスをだしに、おまえを妃にと望むはずだ。だが……」
ギッ、とマットがきしむ。バルドがあたしに覆い被さってきたからだった。
「セイレムなどに渡さない。おまえはずっとオレのものだ。それを、今から身体で解らせてやる」
「ば、バルド……んっ!」
それから……
あたしはまたがっつりバルドに食べられちゃいまして。
3日間は枕も上がらないほどに疲労困憊状態になりました……。