異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「ヒスイさん、今日こそこの花束を受け取ってください!」
「いやいや、東方の珍味はいかがですか? あなたの為に取り寄せたのですよ」
「湖で舟を浮かべご一緒に語らいましょう。よければ月を浮かべてみせますよ」
「いや、今は空の散歩が最新流行ですよ。空の果てまでお供いたします」
「よければお抱えの料理人にお好きなものをたくさん作らせましょう」
「どうかその輝くような美しさを絵に留めさせるお許しをください。あなたの罪作りな美しさを永遠に我が物とするために」
Etc.
なにが起きたの!? と思うくらいに、わらわらとヒスイに男性陣が群がってきてた。
しかも数人どころか、数百人(?)列をなしてますよ! どこの行列が出来る店だ!?
「今日はまあまあじゃのう。ま、あまり数が多いと疲れるからのぅ」
ヒスイはこちらをチラッと見て、含み笑いをしやがりましたよ。
「おまえと違い、理性的なわらわはこのように忙しいのじゃ。早くさばかねば後に差し障るでのう」
「よ……よ……」
あたしは思わず両手の拳を天に突き上げた。
「世の中、女はやはり顔と胸なのかあああああっ!!!」
あたしの魂の底からの叫びは、どこまでも響いていったそうな……。