異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「なんか体がだるい……風邪かな?」
ヒスイに勧められたから、ちょっと横になることにしたけど。腰の重さやだるさが変わらない。風邪かなって額や首に触ると、ちょっと熱い気がする。
「ナゴム、だいじょうぶか? 昼、あんまり食べなかったし。食べないのよくないよ。食欲ないなら果物もらってくるか?」
「あ~……それなら自分で」
ロゼッタさんの気遣いは嬉しいけど、やっと回復した体を使わせるのは申し訳ない気持ちだし、自分で行こうとベッドから降りようとして……
急にふわっとしためまいが起きたから、目元をおさえてしゃがみ込んだ。
「ナゴム!」
ロゼッタさんが慌てて支えてくれなきゃ、たぶん腰をベッドに打ち付けてた。
「だいじょうぶか?」
「ありがとう……迷惑ばっかりかけてごめんなさい」
「いい。これくらい全然迷惑じゃない! ナゴムはいろいろ頑張り過ぎだ。だからきっと身体が休みたいって言ってるんだ。なら、ちゃんと休めて回復させるが一番だよ」
ロゼッタさんに心配そうにされたら、何も言えなくなる。たしかに、仮死状態なんて身体にはむちゃで負担になったのは確かだろうな。
「……そうだね。ロゼッタさんの言うとおりにちゃんと休むね」
無茶し過ぎてディアン帝国へ帰るのが遅れたら本末転倒だ。ただでさえセイレム王国には滞在の負担をかけているんだし、これ以上引き伸ばしちゃダメだよね。
あたしはロゼッタさんに支えられたまま、素直にベッドに横になる。彼女は肩まで布団をかけてくれると、ポンと胸を叩いてくれた。
「だいじょうぶ、きっとすぐよくなる。じゃあわたし行ってくるね」