異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。





どうやらエークのエネルギー源は往復ぶんあるらしく、寄り道しなければ帝都まで余裕で持つらしい。一度の充電(?)で往復2000km走れるエネルギーって……どれだけすごいんだろう? 自動車だったら、たぶん何回も給油が必要だよね?


(なんか……ディアン帝国って、実は日本より技術が進んでる?)


荒れ地ばかり見てたし、最初に会った人たちはいかにも“原住民”って暮らしぶりだったけど。空飛ぶ機械といい、エークといい。今の日本でも造るのはたぶん難しい。


(にしても……あの空飛ぶ機械って、一体誰が乗ってたの?)


見つけた途端に攻撃してきたのは、あたしとエークが不審者で国を守るため必要だったとしても。このことを話した時、セリス皇子の反応は決していいものじゃなかった。

むしろ、あたしに気をつけろって警告をして来るぐらいだから。巫女ってのはそんなに重要な役割があるのかな?


もしかすると、政治的に利用されたりってやつ?


(いやいや、あたしはそんな大した価値なんてないよ?)


自分の中でひとりツッコミしても虚しいだけだけど、もしもセリス皇子が怖れるようなことが起きたら……その時、あたしはどう対処しようか?


その辺を歩くおっちゃん程度なら倒せる自信はあっても、屈強な男が来たらそれだけでアウトだ。


だから、ロゼッタさんのような戦闘慣れしていそうな人が護衛に? ちらっと見れば、隣で走ってた彼女はニコッと笑ってくれた。

< 60 / 877 >

この作品をシェア

pagetop