異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
現皇帝陛下がいらっしゃるお城が、スマガラ城。何となく昨今の日本の携帯電話事情を思い起こす名前だけど、たぶん気のせいでせう。
で、スマガラ城の中にもいくつかの宮殿があって、メインとなる鳳凰宮が皇帝陛下のいらっしゃる本宮。内宮と外宮及び後宮で構成されていて、後宮はお察しの通りに皇后を中心とするお妃や女官が住む男子禁制の宮。
内宮が政務を取る言わば表舞台で、国の中枢部とも言える重要な役割を果たす。
外宮はいわゆるお役所みたいなところで、軍の司令部やら何やら重要な拠点の役割も担う。防御の要ともなるらしい。
――以上の知識はミス·フレイルのお妃教育で叩き込まれた知識ですよ。
不眠不休で1ヶ月の付け焼き刃だったけど、必要な知識や礼儀作法に振る舞いなんかを必要最低限広く浅く教えてくれた、その手腕には感心するばかり。
帝都にはとりあえず3日間滞在する予定だから、内宮に部屋(とは言っても一般家屋程度の離れ)を用意していただいて、皇帝陛下へ拝謁するための準備をする。
いよいよ皇帝陛下……秋人おじさんの子孫に会うというだけで、体が自然と震えてきた。
バルドやライベルト……皇帝陛下の皇子には何人か会ったけど、やはり皇帝陛下の方が血では秋人おじさんに近い。だから、緊張するなという方が無理だった。