異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



「ありがとう、ロゼッタさん」
「ううん、わたしこそありがとう。これ大切にするね」


新しい服に着替えたロゼッタさんは、心なしか嬉しそうな顔をしてる。彼女が喜んでくれたら、あたしも嬉しかった。


お互いに納得出来る買い物が出来て、気分は上昇中。バルドと皇帝陛下の態度に落ち込んだけど、男どものことは忘れて今日は楽しむぞ! と気炎を上げました……ら。レヤーの尻尾が少し燃えてた。


「あちちち!」

「あんた自分を燃やしてるわけ?」

「違いますよ! 何故か勝手に火がついたんですよぅ」


仕方ないから護衛さんに水を汲んできてもらい消し止める。レヤーの尻尾は半分焼けて悲惨なことになってた。


しくしく泣きながらも、レヤーは予約したというカレー屋に向かって案内してくれた。


「え、カレー屋って予約可能なの? って言うか。どうやって連絡したの」

「公衆電話がありましたから。電話帳で調べたらすぐヒットしましたよ。一件しかありませんでしたし」

「…………」


疑問点をぶつけてみれば、レヤーは事も無げに答えたけど。電話帳に公衆電話って……まんま現代じゃないですか。


どこまで現代日本を再現しているか気になって辺りを見回すと、似てるけど若干の違いはやっぱりある。けど、それは些細なもの。神経質にならなきゃ気にならないレベルだった。


テクテクと歩くレヤーに揺られて30分後――例のカレー屋が見えてきた。


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