異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
ロゼッタさんと打ち合わせしたいところだけど、彼女との細かい意志疎通はまだ難しい。となると……レヤーに相談してみることにした。
「ね、ちょっと。あの訳のわからない円盤みたいな乗り物どうにかできない? このままだと追いつかれるでしょ」
「そ、そうですね……たぶんあの移動機は燃料の補給が要らないタイプでしょうから、放っておけば地の果てまで追いかけられますし」
「マジ、どうしよ……う~」
円盤……UFO……宇宙人。
あ、あかん! なんかアホなことしか思い浮かばない。
ぶんぶんと頭を振ったあたしは、レヤーにあることを訊いてみた。
「ね、レヤー。渓谷の地形って先に判る?」
「は、はぁ……大雑把になら何とか」
レヤーにある不思議な力のひとつを使い、渓谷の地形を知ったあたしは閃いたことがあった。
「う、うまくいきますかねえ」
「そんなの、やってみなきゃわかんないでしょ! いくよ」
ロゼッタさんにはレヤーから大雑把に説明してもらい、承諾を得た。そういやレヤーがいれば通訳できたじゃ~ん! と今さら気づきつつ、渓谷が間近に迫ってきた。