異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
ドクン、と翡翠を中心に脈動が起こる。それは全体に広がって薄い光の膜を広げていく。
「……これは」
その後を光の線が広がり、まるで血管のように脈動する。
空間全体を満たした謎の光のなか――
地面の下にうっすらと見えてきたものは。
まるで、西洋のドラゴンのような形の人造の機械――ロボット?
銀色に輝く機体は全く朽ちることなく、ついさっき完成したと言われても不思議でないほどで。
ただパッと見はそれほど恐怖心を抱かせるデザインじゃない。大きさもたぶん、バスより大きい程度だろう。
「あれが……本当に世界を滅ぼしかけたという古代兵器?」
《否とは言えぬ》
ヒスイが冷めきった目で浮かび上がるビジョンを眺めてた。
《おそらく……この世界にかつてあった先進文明の名残じゃな。誰が発掘したかは知らぬ。だが、この帝都の地下には先進文明の遺跡が眠っておるようだの》