異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
第4関門~新しい出会いは、疑惑の芽生え。
「ナゴム、ダイジョブ?」
「う、うん……何とか」
ロゼッタさんに引っ張り出してもらい、何とか砂の中から出ることができた。結構深くまで埋まったから、一人だと埋もれてしまったかもしれない。
「うわ、あちこちがジャリジャリだ」
砂から脱出して息をついたけど、やっぱり厄介なもの。全身が砂だらけな上に、靴にも服にも砂が入って気持ち悪い。
幸い、口や鼻に砂は入ってない。レヤーのアドバイスを受けて保護していたおかげで……。
「……って、そういえば! レヤー忘れてるじゃん」
なにかを忘れてると思えば、 と慌てて繋がる紐を頼りに彼を捜せば。クチバシの一部(一応鼻も出てる)だけが出ていて、残りは完全に砂に埋もれてる状態だった。
「す……すみませぇ~ん……た、助けてくださぁあい……」
か細い声でレヤーの生存が確認出来たあたしとロゼッタさんは、急いで砂を取り除きレヤーを助け出す。かなり体が大きいから、半ば強引にクチバシを引っ張って起こしたけど。
「あだだだ! クチバシが抜ける! 抜けてしまいます」
「そんなの後でいくらでも生えるでしょ。 今はそれどころじゃないって、よいしょ」
「そ、そんなのイヤです~も、モテなくなったらどうするんですかあ……あだだだっ、抜ける!折れるう~」
ぎゃあぎゃあ言いながら何とかレヤーを助け、ダチョウも無事に掬い上げた時にはすっかり日が昇りきってた。