異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



前時代の帝国が滅びた際、惑星の隅々までも監視のためのネットワークが張り巡らされ、軍事拠点が造られていた。それゆえ【龍】はそれら全てを破壊するために、己の力を解放し帝国とそれに付随するモノを消滅させていった。


どんなに耐久性のあるモノであろうと、【龍】の生み出す数千℃という高温の炎と高密度レーザー兵器には敵わない。


帝国を滅ぼす【龍】はその遺産もすべて一掃するために破壊の限りを尽くした。だが、帝国の残存勢力はなかなか滅びず抵抗を繰り返して膠着状態が続く中で。【龍】は確実にやつらを追い詰め駆逐する。他国へ逃亡しても完膚なきまでに叩き、巻き込まれ滅んだ国すらあった。その攻防はおおよそ三年に渡り――それが、後々の歴史で語られる“炎の千日”と呼ばれた忌まわしい暗黒史。


けれども、【龍】によって人類は完全に管理されコントロールされるという暮らしから救われた。


【龍】が再起動し帝国を滅ぼさねば、帝国は必ず世界の全てを支配しただろう。それだけの科学力が備わっていたのだから。

【龍】は人びとを救った――。


それが、惑星を滅ぼそうとした忌まわしい古代兵器と恐れられた、【龍】の真実だった。



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