異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



「……ユズ様もまったく同じことをおっしゃいました」


生真面目なライベルトはお言葉に甘えて、ということはできないみたいで。やっぱり律義に姿勢を崩さない。


けど、彼は彼なりに打ち解けてくれているらしく、そう話してくれた。


ユズのことを聞いていると、やっぱり彼女も変わらないんだなぁって微笑ましくなる。


「そう。やっぱり初めての懐妊で身体が辛いんだろうね」

「和様もおめでたと。おめでとうございます。主より祝いの品を預かって参りました」


膝を着いたままのライベルトが手にしていたものを差し出すから、侍女長であるミス·フレイルが代わりに受け取る。それをその場で開けるように言うと、中から出てきたのは意外なものだった。


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