異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「和さん、今日は寿○き屋のラーメンですよ~」
木造のお家に入れば、広いリビングで緑色の巨大な鳥であるレヤーがエプロンを付けて菜箸を振った。
「まあ、わたしの好きなメニュー。ありがとう、レヤー」
「いえ。このところ元気がありませんでしたからね。お医者様にアドバイスして頂いた特別メニューですよ」
レヤーがさあさあ、と木のテーブルに座るのを手伝ってくれる。お腹が大きいからちょっとした動作も大変。
「わざわざありがとう、レヤー」
「いえいえ。なんでもありませんよ~じゃ、いただきましょうか」
三人で囲むいつもの食卓。この穏やかな日々は大好きだけど……どこか物足りない。
どうして?
わたしは……やはりなにか忘れている?
大切な……大切な何かを。