異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
でも……
この2つをずっと眺めていると、どうしてか心が落ち着く。ロゼッタさんやレヤーのように、ずっと見守ってくれている気がする。
もしかすると……わたしを愛する大切な人が、わたしを護るためにくれたもの?
(まさかね……)
バカらしい考えに小さな笑いがこぼれる。でも、現金なことにさっきよりも気分が上向いたのは事実で。
自分の単純さに苦笑いしながらも、落ち込んだままよりはましと開き直った。
(そうだ……不安になったって何一ついいことはない。それよりも前向きに、自分がすべきことやできることを考えなきゃ)
やって来る未来が決まったものだとしても、それを悲観的に受けとめるよりも。楽しみにするくらいの心持ちでいよう。
(そうだ! 赤ちゃんが生まれたら絶対可愛い子どもに育てよう。ドレスを着せても遜色ないように)
自分が残念な顔なのは既に諦めたけれど。きっと生まれてくる子どもはとてもかわいい……なぜかそんな確信があったから、生まれる前に小さな赤ちゃん用のドレスでも縫おうかな、と決めた。
子どもと二人の暮らしは案外悪くはないかも……いろいろと想像しているうちに、何だか楽しみになる。浮き立つ気持ちでベッドに入り目をつむった。