異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。
「えっ……それって、どういうこと? ねえ、やっぱり秋人おじさんはここにいるんだよね? なら、どこに行けばおじさんに会えるの? それに、日本には帰れるんだよね? おじさんも一緒に帰れるんでしょう?
あたしは巫女なんかじゃないよね? 巫女だとしても、どんな力があるのかわからない……」
訊きたいことがありすぎて、自分でも支離滅裂な言い方になったけど。これでも全然足りない。あたしは……一体どうすればいいの? まだ弱い心がそう問いかけそうになるけど、グッと堪えた。
――案ずるな、ナゴム。そなたは強い。和という名前を与えられたのも、深い意味があるのじゃ。己を信じて進め。他の言の葉に惑わされるでないぞ。
「あの……あなたは。もしかしなくてもペンダントの?」
――そうじゃ。わらわはいつでもそなたを見守っておった。異なる世界ゆえ、気を馴染ませるに手こずったが。もう平気じゃ。こうしてそなたと言の葉を交わせるようになり、力もみなぎってきた。これから手助けもできる。安心して目覚めよ――
ふわり、と誰かに頭を優しく撫でられたような気がして。あたしはそのまま目を開けた。