さよならさえ、嘘だというのなら

何か変だと思った時は
もう凪子は須田海斗に逆らえず
言いなりになっていた。

須田海斗は徐々に本性を現す。

「両親は跡継ぎであるお兄ちゃんに甘かった」

そして須田海斗は賢く
残虐な俺様。

「お兄ちゃんが悪い事をしても、全てもみ消していたけれど……」

女性をレイプして半殺しにした事件を次々と起こし
さすがの財閥でも
もみ消すのが難しくなってきたそうだ。

留学させても
理由をつけて戻ってくるし

本性を隠せば
綺麗な顔をした優しい王子様だから、みんなだまされる。

うちのクラスもだまされてた。

そうなると
放置し続けた両親も考える。

跡取りは弟に任せ
これから弟を教育しようと
須田海斗は邪魔になる。

かといって世間体を考えると
家から追い出すような事もできず

何とか悪さをしないで
大人しくさせたいと思い

両親は
凪子に目をつける。


そうだ

この子を海斗のはけ口にしたらいい。

人に迷惑かけないで

妹をいたぶり乱暴すればいい

そうすれば
事件にならず
家の中で全て解決するだろう……と……。







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