さよならさえ、嘘だというのなら

鋭い牙が凪子の首筋に刺さり
凪子の身体が堅くなる。

ごめん
痛そうだ。

でも彼女の身体をいたわる余裕が俺にはない。

凪子の首筋から流れる赤い滴。

大切に
一滴残らず俺の中に入れたい。

口の中が甘く痺れ
頭の中が舞い上がり
心臓がバクバクする

官能と快楽
全てが満ち足りていた。

夢中になってると

「颯大!」
怒鳴られて
思いっきり頭を殴られ現実に戻る。

「殺したいのかこのバカ!初心者飛ばしすぎだろ!」
智和おじさんに怒られ
凪子から口を離すと
凪子は青ざめた顔で俺の腕の中に崩れた。

「凪子?」
名前を呼ぶと

彼女はうっすら目を開く。


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