さよならさえ、嘘だというのなら
家に帰って来て
さりげなくメールしようとしたけれど
七瀬の寂しそうな顔が目に浮かび、何を書いていいかわからずメールできなかった。
まだ知り合ったばかりで
きちんと話をしたのは今日が初めてで
わからない事がたくさんある
消えてしまいたい……って言ってた。
こんな私なんて消えた方がいい……って言ってた。
謎がいっぱいあって
不思議な子だけれど
彼女の笑顔は本物で
ギュッと俺の腰に回された手も本物で
背中に感じた彼女の胸も
柔らかい匂いも
たまらなく愛しい
『須田凪子が好きなの?』
そう聞かれたら
今なら返事ができるだろう
好きだよ……って……。