さよならさえ、嘘だというのなら
ふと思うのは
ドロン山。
自殺の名所。
子供の頃から絶対中には入ってはいけないと、町から親から言われている場所。
違う
松本は自殺はしない。
夢を持ってる彼女にはドロン山は無関係だろ。
「今から中西と森ちゃんと一緒に探す。颯大も探して」
「わかった」
「ありがとう」
「みんなで探そう」
「うん」
「松本は天然入ってるから、どっかで寝てるかも」
「うん」
「絶対見つかる。見つけたら連絡しろよ」
「うん。私は他の子達にも知らせるね」
七瀬はゴシゴシと涙を拭き
そのままクルッと背中を向けて自分の家に走って行った。
どこへ行った松本
こんな小さな田舎の町で
何があった?
最高に嫌な予感を背中に感じ
俺は自分の部屋に戻り
1分でスェットとTシャツに着替えスマホを持ち
また
チャリを飛ばす。