結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
「ユウ…?」

真剣な顔でレナの目を覗き込むユウに、レナは少し驚いて目を丸くしている。

「結婚式と入籍の日を、今、決めよう。」

「ええっ?!今?ここで?!」

ユウはレナの手を握ったままうなずく。

「いつがいい?」

「急に聞かれても…。」

「バレンタインデー入籍ってどう?」

タクミが手を挙げる。

「じゃあ挙式日はホワイトデーでどうだ!!」

トモが同じように手を挙げる。

「…って意見もあるけど…どう?」

有無を言わさぬユウの気迫のこもった眼差しに、レナは思わずうなずいた。

「ハ、ハイ…。」

レナが返事をすると、みんながワッと声を上げる。

「よし、決まり!!」

「前祝いだ!!今日は飲むぞー!!」

「おめでとう!やっと決まったな!!」

「さあ、乾杯だ!!さ、あーちゃんも!!」

「う、うん…。」

レナはさっきトモに手渡されたグラスを持って、わけがわからないまま乾杯する。

「おめでとう!!乾杯!!」

「乾杯…?」

レナは首を傾げながらグラスの酒を飲んだ。

「あっ、それ…!!」

ユウはレナの飲んだ酒が、トモに手渡された物だと気付くと、冷や汗をかいた。

「トモ、レナに何飲ませた?!」

「ん?ジンライム?ヒロさんに言われて。」

「ええっ?!レナ、大丈夫か?」

慌てふためくユウだったが、レナはしれっとした顔で当たり前のようにそれを飲んでいる。

「大丈夫だよ。私、成人だから。」

(ああもう!!こんな時までレナ、天然だよ!!)

そんなユウとレナを見て、ヒロはおかしそうに笑っている。

「おもしれぇ!!彼女、イケる口だ!!さ、今日はとことん飲むぞー!!」

(勘弁してくれぇー!!)


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