結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
渦中のひと
ユウとレナの熱愛報道が初めて出た日から1週間が過ぎた。

報道陣の数は最初ほど多くはなくなったものの、他の雑誌やテレビ番組でもたひたび二人の熱愛の話題が取り沙汰されたこともあり、レナもユウも別々に行動していても、どこにいても誰かに気付かれて指を指されてしまう。

インターネット上でも二人の名前が飛び交い、どこで見掛けたとか、何をしていたとか、本人たちが思っているより世間の目に晒されているのだと思ったのだった。


「それにしてもビックリしたわよー。」

マユがおかしそうに笑うと、レナは大袈裟にため息をついた。

「他人事だと思って…。」

「まぁ、他人事と言えば他人事だけど、逆パターンで、明日は我が身ね。」

「ああ…。三浦くんと別居中だもんね。」


レナの小学4年からの親友、佐伯麻由は、高校時代の友人で作家の三浦慎也と3年半前に結婚したのだが、雑誌の編集長をしている多忙なマユにとって、やらなければいけないのにできないことや、してあげたいのにできないことが多くなってしまい、一緒に暮らしていると次第にイライラが募ってうまくいかなくなったようで、今はお互い納得の上で別居婚と言う形を取っている。

それでも時間と気持ちの余裕がある時には夫婦らしく一緒に過ごしているらしい。

今年の春、シンヤの小説がドラマ化されたこともあり、雑誌での小説やエッセイなどの連載が更に増え、シンヤもまた多忙な日々を送っているようだ。


今日は、珍しくレナ、ユウ、マユ、シンヤの4人の時間の都合がついたので、久し振りにシンヤの部屋に集まっていた。

4人は、レナとマユの手料理を囲んで、ビールやワインを飲みながら、賑やかな夕食を楽しんだ。

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