結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
そこでレナは、ユウと付き合う前や付き合ってすぐの頃に、ユウがたくさんの女の子たちに迫られていたことを思い出し、マユに話すことにした。

「再会した日もね…グラドルのエミリって子に迫られて、キスをねだられてた。」

「アンタ見てたの?」

「うん…。見るつもりはなかったんだけど、成り行きで。ユウ、適当にハイハイって返事して、その子とキスしてた。」

「アイツ…。他には?」

「グラドルの子たちを撮影した時に、アヤって子がね、他の子たちと話してるのが偶然聞こえちゃったんだけど…。彼女、ユウと、したんだって…すごくオープンに話してたんだけど…。バーでユウにあったのに素っ気なくて、キスもしてくれなかった、とか…。ユウのこと…背が高くてかっこよくて、その……エッチがスゴイとか…彼女になりたいとか…。」

「そんなこと言ってたの?!」

「うん。他にもグラドルの子たちの間で何人かユウとエッチした子がいるから負けたくないとか…。それにね…。」

「まだあるの?」

「うん…。そのバーにユウがいた時、私も一緒にいたの。それを見て、高梨さんは胸も色気もないから、もし彼女だとしても簡単に奪えるとか…。」

「レナ、そんなこと言われたの?!」

「うん…。付き合い出してからも、他のグラドルの子に迫られてたり、歳上ふうの大人っぽい美人にも迫られてた。」

「それって、全員一度は寝た相手ってこと?」

「そうみたい…。」

「めちゃくちゃね…。」

マユは呆れて肩をすくめる。

「でもね…ユウが言うには、誰でも良かったから、相手に誘われるまま、そういう関係になってたみたいで…。自分から迫ってたわけじゃなさそうなんだよね…。私と再会してからは、そういう誘いにはまったく応じてないみたいだし…。」

「でしょうね。レナと、夢の中でもいいから会いたかったんでしょ?」

「知ってるの?」

「タクミに聞いた。ロンドンにいる頃、その話聞いたんだって。片桐、うわごとで“レナ、ごめん”ってよく言ってたらしいわ。」

「そうなんだ…。」


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