結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
(もしかしてユウは、このニュースを見たのかも…。)

他の男と一晩過ごした後で、とユウは言っていた。

最近帰りが遅かったことや、夕べレナがユウに何も言わずマユの家に泊まったことも、誤解を招いた要因なのだろう。

(私、全然信用されてなかったんだな…。)

今更弁解をするのもためらわれるほど、レナはユウの言葉にショックを受けた。

(優しさを押し付けられるのも、泣き顔を見るのも、うんざり…か…。)

いつの間にか、そんなにもユウに嫌われていたのだと思うと、悲しくてやりきれなかった。

(どうしてこんなふうになっちゃったのかな?少し前までは、あんなに幸せだったのに…。)

いつも優しく抱きしめてくれたユウ。

大きな手で頭を撫でてくれたユウ。

いつも笑ってレナを愛しそうに見つめていたユウ。

レナかわいい、好きだよ、と言ってキスしてくれたユウ。

宝物を扱うように、大切そうに優しく抱いてくれたユウ。

(私の大好きだったユウが、知らない人みたいになっちゃった…。)

あんなに乱暴に強引に抱かれたことなど、今まで1度もなかった。

冷たい声でひどい言葉を吐くユウは、まるでレナがニューヨークへ行く日の明け方に、レナを強引に押し倒した時のユウのようだった。

あの時ユウは、泣いて拒むレナを途中で解放した。

でも今日は…どんなにレナが拒んでも、何を言っても、痛がるレナを押さえつけて、最後まで離してはくれなかった。

(ユウはもう、私のこと愛してないから…あんなふうに乱暴にしたのかな…。)

考えるほど胸が痛くて、レナはもう、どうしていいのかわからなかった。

(ユウが望んでくれないなら、私、もう…ユウのそばにはいられないよ…。)


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