結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
「やっぱり、思った通りね。」
「うん、業界ではかなり有名よ。相当派手にやってるみたいね。」
その時マユは、女性週刊誌の編集部にいる同僚と会議室で話し込んでいた。
「枕営業とか?」
「以前はね。でも、今はそれも必要なくなったみたいよ。」
「どういうこと?」
「何ヵ月か前から囲われてるらしい。」
「誰に?」
「…事務所の社長。」
「そうなの?!」
「それでも男遊びはかなり派手ね。ブレイク前の俳優とかアイドルとかバンドマンとか…とにかくブレイク前のイケメンを手当たり次第狙うらしいわ。`ALISON´のユウなんて、そのうちのお気に入りの一人くらいにしか思ってないはずよ。」
「そう…でもそれならなんであの記事…。」
「グラドルの子たちにも何人か話聞いたんだけど、あのアヤって子、相当ユウの彼女になるって意気込んでたって。アリシアと付き合ってるの知って、かなり悔しがってたみたいね。なんでこの私よりあんな女がいいのって。本人は気付いてないみたいだけど、同業者の間からも評判悪くて、みんな陰では呆れてたり、いい気味だって思ってたみたい。」
「なるほど…。」
「あれ、熱愛から一連の記事全部、出所同じでしょ。まずは二人の熱愛を世間に広めて、その後ユウを叩き、アリシアを叩き…更にアリシアと野崎の熱愛でしょ?あの二人を別れさせたい人間が仕組んだとしか思えない。悪意感じるよね。特にアリシアの記事はひどい。」
「わかる?」
「私たちもいろいろ調べてみたけど、ユウのこともアリシアのことも悪く言う人間なんて一人もいなかったよ。二人ともすごく真面目で控えめで仕事熱心で…ってみんな言うもんね、人望も厚いみたい。」
「そうでしょ?」
「須藤写真事務所の若い子に話聞けたんだけど、須藤透とアリシアには恋愛とか交際の事実はなかったみたいだしね。あの結婚って言うのも、養子縁組的な感覚じゃない?話聞いてると保護者みたいって思ったもん。」
「そうなの!!」
「それに、その子の話ではアリシアのこと、すごく一途だって。アリシアはユウのことすごく大事にしてるって言ってた。」
「そうなのよ、その通りなの!!」
「マユが言った通りね。このネタ、いただいちゃっていい?」
「もちろん!!あっ、オマケつけようか?」
「うん?お得な感じ?」
「めちゃくちゃお得。私が見てきたことだから間違いないよ。どう?」
「よし、乗った!!」
二人はニヤリと笑い合う。
マユの同僚はノートパソコンを開き嬉々として記事の文章を打ち込むのだった。
「うん、業界ではかなり有名よ。相当派手にやってるみたいね。」
その時マユは、女性週刊誌の編集部にいる同僚と会議室で話し込んでいた。
「枕営業とか?」
「以前はね。でも、今はそれも必要なくなったみたいよ。」
「どういうこと?」
「何ヵ月か前から囲われてるらしい。」
「誰に?」
「…事務所の社長。」
「そうなの?!」
「それでも男遊びはかなり派手ね。ブレイク前の俳優とかアイドルとかバンドマンとか…とにかくブレイク前のイケメンを手当たり次第狙うらしいわ。`ALISON´のユウなんて、そのうちのお気に入りの一人くらいにしか思ってないはずよ。」
「そう…でもそれならなんであの記事…。」
「グラドルの子たちにも何人か話聞いたんだけど、あのアヤって子、相当ユウの彼女になるって意気込んでたって。アリシアと付き合ってるの知って、かなり悔しがってたみたいね。なんでこの私よりあんな女がいいのって。本人は気付いてないみたいだけど、同業者の間からも評判悪くて、みんな陰では呆れてたり、いい気味だって思ってたみたい。」
「なるほど…。」
「あれ、熱愛から一連の記事全部、出所同じでしょ。まずは二人の熱愛を世間に広めて、その後ユウを叩き、アリシアを叩き…更にアリシアと野崎の熱愛でしょ?あの二人を別れさせたい人間が仕組んだとしか思えない。悪意感じるよね。特にアリシアの記事はひどい。」
「わかる?」
「私たちもいろいろ調べてみたけど、ユウのこともアリシアのことも悪く言う人間なんて一人もいなかったよ。二人ともすごく真面目で控えめで仕事熱心で…ってみんな言うもんね、人望も厚いみたい。」
「そうでしょ?」
「須藤写真事務所の若い子に話聞けたんだけど、須藤透とアリシアには恋愛とか交際の事実はなかったみたいだしね。あの結婚って言うのも、養子縁組的な感覚じゃない?話聞いてると保護者みたいって思ったもん。」
「そうなの!!」
「それに、その子の話ではアリシアのこと、すごく一途だって。アリシアはユウのことすごく大事にしてるって言ってた。」
「そうなのよ、その通りなの!!」
「マユが言った通りね。このネタ、いただいちゃっていい?」
「もちろん!!あっ、オマケつけようか?」
「うん?お得な感じ?」
「めちゃくちゃお得。私が見てきたことだから間違いないよ。どう?」
「よし、乗った!!」
二人はニヤリと笑い合う。
マユの同僚はノートパソコンを開き嬉々として記事の文章を打ち込むのだった。