結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
翌朝。

ベッドで寄り添いながら安らかな寝息をたてている二人を叩き起こすように、ユウのスマホの着信音が鳴った。

ユウは眠い目をこすりながら、スマホの画面に目をやる。

「事務所から…?」

時間はまだ朝の7時半。

レナも、着信音に驚いて目を覚ます。

何事かと思いながら、ユウは事務所からの電話に出た。

「もしもし…。」

「ユウ、テレビ見たか?」

マネージャーの慌てた声が響く。

「テレビ?いや、まだ寝てたんで…。」

「じゃあ、今すぐ見ろ!!」

「はぁ…。」

不思議に思いながら、ユウは軽く衣服を身に着けると、リビングへ行ってテレビをつけた。

「えっ…。」

簡単な服装に着替えたレナも、ユウの後を追ってリビングにやって来る。

「何これ…。」

それはテレビの情報番組に流れる芸能情報で、ユウとレナが手を繋いで歩いている写真が画面いっぱいに映し出されていた。


“人気バンド`ALISON´のギタリストに熱愛発覚!!お相手は美人ハーフモデルのアリシア!!”


(いつの間に撮られたんだろう…?)

レナは画面に映る二人の写真を呆然と眺める。
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