結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
「やっと医者からOK出たから…いいよね?」

レナは途端に真っ赤になる。

「待って…。」

「ダメ。もう1秒も待てない。」

「だって夕食の準備もまだ…。」

「夕食よりレナが食べたい。」

ユウはレナの首筋にキスをする。

「んっ…。ユウってば…。」

「かわいすぎるレナが悪い。」

ユウはレナを軽々と抱き上げ部屋に連れて行くと、優しくベッドに寝かせ、レナの唇にいつもより激しく口付ける。

「ヤバイ。ずっと我慢してたから、いつもより激しくしちゃうかも…。」

レナはユウに服を脱がされながら、また顔を真っ赤にした。

「まだ怪我治ったとこなんだから…あんまり無理しちゃダメだってば…。」

ユウは柔らかなレナの胸に手を這わせながら、赤くなったレナの耳に口付けて意地悪そうに囁いた。

「オレより…レナに無理させちゃうかも…。」

「もう…!!」

「レナに触るのも今日までめちゃくちゃ我慢したんだから、ご褒美ってことで、今日はいっぱいしても…いいよね?」

「ユウのバカ…。エッチ!!もう知らない!!」

レナが恥ずかしそうに両手で顔を覆うと、ユウはその手を優しく握り、レナの頬に口付けた。

「そう言うとこ、ホントかわいい…。レナ、好きだよ。」

そして二人は久し振りにベッドの中で、いつもより熱く甘い甘い時間を過ごした。





今年も残すところあとわずか。

街はクリスマスムードで賑わっていた。

「もうすぐクリスマスかぁ。」

「付き合ってからは初めてだね。」

一緒に買い物に出掛けた二人は、手を繋ぎながら雑貨屋で小さなクリスマスツリーやスノードームを手に取って眺める。

「クリスマスはどうしようかな?やっぱりクリスマスケーキとか…。」

「それってオレにも食わせてくれるの?」

以前、ヤキモチを妬いてスネたレナが、二人で食べようと買ったチョコレートクリームのホールケーキを一人で食べようとしたことを思い出し、ユウは少し意地悪く笑う。

「もう…!!あの時はユウが悪いんだからね!!」

「冗談だってば。」

歩きながらユウは、なにげなく向かいのジュエリーショップに目を留めた。

(あっ…。オレ、結婚しようって言いながら、レナに指輪も渡してない!!)

「どうかした?」

「いや…。」

そう言えば、指輪だけじゃない。

結婚って、具体的に何をすればいいんだろう?

(親に挨拶…とか?結婚式場の予約…とか?)

経験のないことは考えてもわかるわけがない。

(こういうことは経験者に聞くのが一番だ。)


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