石林(シーリン)三国志

長坂橋

しかし信義に厚い劉備は大恩ある劉表の子を
攻めることなどできはしない。
放って置けば挟み撃ちだ。

三十六計逃げることに決定した。
ところがここでとんでもない誤算が起こる。
劉備を慕う旧臣や住民が大量に合流してきたのだ。

その数数十万荷駄数千両とも言う。
曹操の本隊並みの人数だ。老人と子供の合流で
撤退はすこぶる遅々として進まない。

対して曹操は精鋭5千の騎馬で追撃してくる。
「人民を見捨てるわけには行かない!」
劉備は頑として駆け抜けを拒否した。

しかしついに長坂で曹操は追いついた。
民を蹴散らし突撃してきた。
阿鼻叫喚の悲鳴が上がる。

近づいてくる抜刀した軍馬の響きと雄たけび。
さすがの劉備も数10騎で掛け逃げる。
妻子とも離れ離れになってしまう。

この時張飛は長坂橋の上に仁王立ちになって叫んだ。
「我こそは張飛なり!命の惜しくない奴は
かかってこい!」
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